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君のいない夜 〜サクラミチ〜 18








C side










ぼくは馬鹿だ…






やっぱり食事を出したらすぐに帰るべきだった…




ソファーに座って両手をぎゅっと掴まれてじっと見つめられて…



こんな熱い眼差しをぼくに向けないで欲しい…




その視線に耐えられなくて俯いた。




とにかく、この状況から抜け出さないと…








「ユノ…話ならまた今度ちゃんと聞くから…

だから離して…」









「嫌だ…離さない…

明日になったらまた無視するつもりだろ?」








「もうしないから…

学校1限目からで朝早いからもう帰らないと…

そうだ、明日、お昼でも食べながら話そう?」









あぁ…どんな言葉も聞き入れないって表情…




もう、走って逃げるしかない…




そう思って握られた手をどうにか外そうとするけど、痛いくらいに握られていて、離してくれそうもない…








「何でそんなに逃げようとするの?」









やっぱり…見透かされていた…









「逃げようとなんて…

とにかく…今日はもう帰るから…だから…」









手が離れた瞬間に抱きしめられた…




鍛え上げられた厚い胸板とたくましい腕が痩せたぼくの身体を以前よりすっぽりと包み込んでいて…



今のぼくの力では到底勝てそうにない…











「帰さない…」










耳元で呟かれたその言葉にユノに伝わってしまうくらいに心臓が高鳴る…



どうしよう…このままじゃ…



流されてしまう…



だってやっぱりユノが好きだから…



だからこうならないために今まで避けてきたのに…









「ユノ…お願い…離して…」










「チャンミン…ずっと会いたくて…

こうして抱きしめたかった…

チャンミンが好き…

好きで好きで堪らない…

もう離れたくない…」










ユノ……駄目……



そんな言葉をぼくにだなんて…



でも泣きたいほど嬉しくてグッとこみ上げるものを必死で抑えて…










「何言って……」










「チャンミン…

本当に嫌なら突き飛ばしていいから…」









「ユノ待っ…ん……」









頭をユノの手でホールドされてゆっくりと近づいて来た顔にぎゅっと目を閉じた…




唇が重なって身体ごと後ろに逃れようとすると、そのまま唇を強く押し付けられてソファーに押し倒されるともう身動き取れない状態に…









「……んっ……ユ…っ………」








口をずらして声を出そうにもすぐにユノに口を塞がれてしまう…



声を出そうとして開けた少しの隙間から舌が入りこんできて口内を犯されて…




ユノ………こんなのずるい……




突き飛ばすなんてできるわけない……




ぼくにはそんな力は無いし、それに…




ユノにキスされて嫌なわけがない…




だって…ユノが好き……ユノが好きだから…




でも、こんなの駄目……絶対に駄目……




頭ではわかっていても止められなくて…




久しぶりのユノとのキスに理性が飛んで…




嬉しくて…幸せで…気持ち良くて…頭が真っ白になった…




ユノ……ユノ………ユノが好き………




もっと欲しくて欲望のままに自分からも舌を絡ませた…



ユノは更に何度も何度も角度を変えながら深いキスをしてくるたびに全身が痺れるような快感にもう止まらなくて…



もう何もかも忘れてこのままユノに溺れたかった…



でも…これ以上は……流されちゃいけない…




あぁ……ぼくのせいでユノを駄目にしてしまう…




ごめん……ユノ……




好きで…ごめんね……










「うぅっ……うっ……」









嗚咽を漏らしながら泣いてしまった…








「チャンミン…?」









「うっ……ユノ…うぅっ……」









「何で……どうして泣くの?」









泣いてるぼくを抱き起こしてソファーに座らせてくれた…


両肩に手を置いて俯いてるぼくの顔を下から覗き込む…








「ユノは…婚約してるのに…うぅっ……っ…

ぼくと…うっ…こんなことしたら…いけないのに…っ……」











涙が止まらない…




2年半…ずっと抑えていた気持ちがもう抑えられなくて涙腺が完全に崩壊した…









「ああ……チャンミン…そっか…そうだった…

まだ説明してなかったから…

ごめん…泣かないで…

婚約のことは心配いらないよ?

ぼくがチャンミンのことが好きだってテヨンも知ってる。

テヨンにも好きな人がいるんだよ…だから…」










ぼくをそっと抱きしめて背中をさすってくれるユノを押し離した…










「そんなの…駄目です…」









「チャンミン?」










「結局…うぅっ……ユノもあの人と同じなの?

そんなユノ…嫌だよ……っ……」











「あの人って…?

チャンミン、誰のこと言ってるの?」











お互い好きな人が他にいるのに婚約するなんて…



そんなふうになって欲しくなかった…



ユノはそんなことしないって思ってたのに…



ホジュンさんみたいに好きでもない人と結婚して、他の人と付き合うとか…



そんなの嫌だからぼくはユノの手を離したのに…




アメリカでの辛かった記憶がフラッシュバックする…



ユノがいない日々…




会いたくて…会いたくて…辛くて…辛くて…




生きてる意味もわからなくなって…息をするのがやっとだった…




それでもユノが幸せならいいと…ユノの未来が守られるならいいと思って耐えていた…




ぼくがずっとそばにいられないのなら…



せめて愛する人と結婚して、良いパパになって幸せな家庭を築いて欲しいって…




じゃなければ辛くて悲しくてやりきれないよ…











「お願いだから…

ユノは…あの人みたいにならないで…

ぼくはユノに…幸せになって…欲しくて…

だから…別れのに…

もう…こんなふうにぼくと会ったら…だめなんです…

ユノ…お願い…もうやめて…」










悲しみの感情が抑えきれずに頭が混乱して震えていた…



自分でも何言ってるのかよくわからずに泣きながら酷い涙声で必死にユノに訴えかけて…













「チャンミン…落ちついて!

一体何の話をしてる?

ちゃんと聞くから、ゆっくり話して!

あの人って…」











♫〜〜♬〜〜♫〜〜








いきなりインターフォンが鳴って2人ともビクッと肩が上がった。












「びっくりした…こんな夜に…誰だろう?

チャンミン、ごめん、ちょっと待ってて?」










モニターのボタンを押すと、画面に映し出された顔にユノが…











「えっ?どうしたの?」










「ユノ……どうしよう……」










モニターから聞こえてきた困った様子の声の主はユノの婚約者のテヨンさんだった…

















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君のいない夜 〜サクラミチ〜 17








Y side










「こんな雨の中で何やってるんですか!」








チャンミンが…戻ってきてくれた…



あの頃の優しいチャンミンだった…



身体が冷えすぎて力が入らなくてフラフラになったぼくを支えて家まで連れて行ってくれた…




バスルームで耳まで真っ赤になりながらも脱がせてくれて…



さすがにズボンとパンツは自分で脱いでって言われたけど、おかげですぐにお風呂に浸かって温まったから、だいぶ身体も回復した。




お風呂から上がるといい匂いがした…




何にもないはずの家で料理をしている…



チャンミンもびしょ濡れだったから寒かっただろうに、ぼくがお風呂で温まっている間に買い物してきてくれたんだ…




ぼくの服を着て、ぼくの好きなココアを入れてくれていて…




こんなに優しくされたら錯覚してしまう…




あの頃に戻ったんじゃないかって…




このまま元に戻れるんじゃないかって期待してしまう…



チャンミンがここにいるだけで幸せで、何か話したらまた消えてしまいそうで怖い…




でも、1番気になっているあの人のことだけはどうしても聞きたくて、タイミングを見計らって食事中に問いかけた…








「チャンミン…あの人と…付き合ってるの?」








チャンミンは眉をハの字にしながら少し笑って








「あの人はバイト先のオーナーです。

付き合っていませんよ。ヒョンみたいな存在なんです。」








ヒョン…か…



付き合ってないって聞いてとりあえず安心したけど、向こうはチャンミンに気があるのは明らかで…




気になる…あんなぼくとそっくりな奴から迫られたらチャンミンはどう思うんだろうか…




ヒョンとか言って懐いてるってことは、きっと性格も悪く無いんだろうし…




ぼくよりも魅力的だったら…




早く…早くチャンミンを捕まえないと…




かなり焦りを感じた…




もっと詳しく聞きたかったけど、余計なこと聞いたらまた逃げてしまいそうで…



久々のチャンミンとの食事が嬉しくて、美味しそうに食べる姿をずっと見ていたくて、食事が終わるまでそれ以上は何も言わなかった…




でも…やっぱりちゃんと話さないと前に進めない…




キッチンで食器を洗っているチャンミンに









「チャンミン…片付けはいいから…

こっちに座って。話をしよう。」








そう声をかけると慌てたように…







「片付け終わったら帰ります。

借りた服は洗ってドンへさんに渡しておきますから…」







やっぱり…また逃げようとしている…









「駄目だよ…」








絶対に行かせない…




やっとチャンミンも少しは普通に話してくれて、せっかく家にまで来てくれたのに、ここで帰すわけにはいかない…




強引にソファーに連れてきて、チャンミンの両手をぎゅっと掴んだままその愛しい顔を見つめた…








「ユノ…話ならまた今度ちゃんと聞くから…

だから離して…」









「嫌だ…離さない…

明日になったらまた無視するつもりだろ?」








「もうしないから…

学校1限目からで朝早いからもう帰らないと…

そうだ、明日、お昼でも食べながら話そう?」








そんなの逃げの口実なことくらいもうわかってる。



そんな手には乗らないよ…




さっきからぼくの手の中から懸命に両手を引き抜こうとしている…







「何でそんなに逃げようとするの?」








そんなに…何が嫌で、何を恐れているの?








「逃げようとなんて…

とにかく…今日はもう帰るから…だから…」







ぼくは手を離すと同時に強く抱きしめた…









「帰さない…」








チャンミンは手で押してぼくを引き離そうとするから余計にぎゅっと力を入れて抱きしめた…









「ユノ…お願い…離して…」









そんな可愛くお願いされたら余計に離せる訳がない…



逃げようとすればするほど捕まえたくなる…



捕まえてぼくの中に閉じ込めてしまいたい…











「チャンミン…ずっと会いたくて…

こうして抱きしめたかった…

チャンミンが好き…

好きで好きで堪らない…

もう離れたくない…」









余裕なんてこれっぽっちもなくて…




ちゃんと話をしようって思っていたのに話なんて吹っ飛んでしまって、今まで我慢していた想いが一気に爆発するかのように感情のまま真っ直ぐに想いをぶつけた…









「ユノ…何言って……だってユノは……」









チャンミンを早く取り戻したくて…



自分でももう止められない…









「チャンミン…

本当に嫌なら突き飛ばしていいから…」









「ユノ待っ…ん……」








チャンミンの後頭部に指を差し入れて軽く動きを封じると、ゆっくりと唇を重ねた…



後ろに逃れようとするチャンミンに唇を押し付けながらそのままソファーに沈めて覆い被さった…








「……んっ……ユ…っ………」








口をずらそうと抵抗されてもすぐに追いかけて口を塞いだ…



舌を差し入れて深いキスに変わる頃には突っ張っていた腕の力も抜けてチャンミンも答えるようにぼくの舌に絡めてきて…




凄く嬉しくて…気持ちよくて…さらに深いキスを繰り返していると急にチャンミンの動きが止まって…








「うぅっ……うっ……」









その悲しげな声に目を開くとチャンミンは涙をポロポロとこぼしながら泣いていた…





















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君のいない夜 〜サクラミチ〜 16








Y side









ショックだった…



チャンミンがぼくにそっくりな奴とマンションに消えていって…



それもそいつは恋人候補とか言っていた…



チャンミン…



ぼくはもうチャンミンには本当に必要ないのかな…


ぼくの代わりはとっくに見つかっていて…



あのブレスレットも気に入っているだけで、意味なんてないのかな…



これだけ無視されて、拒絶されても気がつかなかったぼくが馬鹿だったのかもしれない…



もう…とっくに終わっていたんだ…



そう思って帰ろうと思うのに足が動かない…



まだ…やっぱりチャンミンに会いたい…



また待っていても無視されるかもしれないのに…



チャンミンに会いたい…



こんな情けない、みっともない姿を見せたくないけど、それでもチャンミンに会いたい…



突然雨が降ってきて、風も吹いて寒いけど、ずっとチャンミンを待っていた…



雨宿りできそうな場所もなくて、びしょ濡れになっても、今チャンミンに合わなかったらもう本当に終わってしまいそうでどうしても会いたかった…



寒くて、寒くて、寒くて…もう立っているのがやっとだった…



もうすぐ…もうすぐ出てくる…あと少し…あと少し…



今まで待っていた2年半を考えたら、こんな数時間待つくらい、どうってことない…



チャンミンに会いたい…会いたいんだ…













ガチャンと扉が開いて…やっとチャンミンが出て来た…



嬉しくて、チャンミンって呼んだのに、雨脚が激しくて聞こえないみたいだった…



寒くて声が思うように出なくて…







「チャンミン…」







何とか絞り出した声にチャンミンが気がついてぼくを見た…


驚いたような…怒ってるような…哀しいような複雑な表情をしてそのまま走って行ってしまった…




やっぱり…もうぼくはいらないんだな…




足の力が無くなる感覚と共にしゃがみ込んでしまった…


雨音だけが激しく響いて何も聞こえなかった…



なのに…








「ユノ…」







チャンミンのその声だけはハッキリ聞こえた…















C side










「チャンミン…」








消えそうなその声…



あれからずっと待っていたの?



こんな雨の中…



ぼくは堪まらなくなって走り去った…



帰ってって言ったのに…



話すことなんて無いって言って無視したのに…



気持ちが抑えられなくなりそうで怖くてまたユノから逃げた…でも…



数メートル走って振り向くと、座り込んだ黒い塊が見えた…



あんなユノ…無理だ…もうぼくには無理…




放っておけるはずがない…




急いで駆け寄って、抱きしめたい衝動を抑えて声をかけた…








「ユノ…」







ゆっくりと顔を上げたユノは優しく微笑んで…







「チャンミン…遅いよ…」








「こんな雨の中で何やってるんですか!」







「チャンミンに…会いたくて…」







泣きそうだった…いや…泣いていたかもしれないけど雨で自分でももうよくわからなかった…




ぼくは急いでトレーナーを脱いでユノに着せた。









「チャンミン…Tシャツ1枚じゃ風邪ひくよ…」









「いいからっ!ユノ、立てる?

家まで歩ける?」








「うん…」








肩にユノの腕を回して支えながら歩き出した。



4月とはいえ、こんな雨の夜は真冬のように寒くて…


いつから雨が降っていたんだろう…



ぼくがマンションに入ってから出てくるまで4時間以上あったのに…



手がまるで氷のように冷たい…




ユノの家まで歩いて15分くらいの距離なのに…どうして帰らなかったの?



そんなにぼくに会いたかった?



腰を支えている手に力を入れて強く引き寄せた…









無言のままユノの家に着くと、そのままバスルームに連れて行き、お湯を溜めてる間にぼくのトレーナーを脱がせた。



ユノはシャツのボタンを外そうとするけど、手がかじかんでいて震えて外せないようで仕方なくシャツを脱がしてついでにTシャツも脱がせた。



一瞬…息を飲んだ…



兵役から帰って来たその身体は除隊後しばらく経っているとはいえ、2年半前とは全然違う男らしい体つきに見惚れてしまった…




きっと、顔も耳も真っ赤になってるはず…




慌ててジーンズのボタンとファスナーをサッと外して









「後は自分で何とか脱いで下さい。」








そう言って急いでバスルームから出て扉を閉めようとすると…







「チャンミン…まだ帰らないで…」







弱々しい声…








「帰りませんから…


だからゆっくり温まって下さい…」







こんな弱っているユノは見たことなかった…



そんなユノをこのままにして帰れない…



雨でかなり衰弱してしまったんだろうか…



食事は?




冷蔵庫を開けるとミネラルウォーターが2本入っているだけで何もなかった。



そういえば、昨日戻ったとか言ってたっけ…



タオルで頭を拭いてユノの服を勝手に借りて着替えると、すぐ近くの店で買い物してきた。



お湯を沸かしてココアを作っていると、丁度ユノがバスルームから出てきた…








「いい匂いがする…」








「ココア作ったので飲んで下さい…

今、キムチチゲ作ってるので少し待ってて…」







「ありがとう…」







椅子に座ってココアを飲んでいるユノをチラッと見ながら料理を続けた…



まるで昔に戻ったみたいだ…



2度とこの家には来ないと誓ったはずなのに…



ユノの服を着て…ユノに食事を作ってる…



幸せだって…思ってしまう自分が情けない…



ここはもうぼくの居場所じゃないのに…








キムチチゲをよそってユノの前に置いた…








「ユノ…あんまり辛くしてないから大丈夫だと思いますけど…

あったまるからなるべく食べて下さい…」








「チャンミンも一緒に食べよう?」







「じゃあ…少し…いただきます。」







本当はユノに料理を出したら帰るつもりだった…



でも帰りたくなくて…



これを食べたら本当に帰らなきゃ…








「チャンミンの料理…久しぶり…

凄く美味しいよ…ありがとう…」






「辛くないですか?」






「うん、丁度いいよ。」






「よかった…」








普通の会話…



こんな会話でも久しぶりで泣きそうになる…



あの頃に戻りたい…



一緒にいると欲が出てきてしまう…








「チャンミン…あの人と…付き合ってるの?」







「え…?」







「あの…ぼくにそっくりな人…」







ああ…グクデさんのこと…








「あの人はバイト先のオーナーです。

付き合っていませんよ。ヒョンみたいな存在なんです。」







「そっか…」








それからはずっと無言で食べていて…




食べ終わって片付けをしていると…







「チャンミン…片付けはいいから…

こっちに座って。話をしよう。」








「片付け終わったら帰ります。

借りた服は洗ってドンへさんに渡しておきますから…」








「駄目だよ…」








ユノはそう言ってソファーから立ち上がるとぼくの方にやってきて皿を洗っていた濡れた両手を掴むとタオルで拭いてそのまま強引にソファーに連れていかれた…


















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君のいない夜 〜サクラミチ〜 15








C side










「俺、恋人候補じゃなくて、恋人立候補だったな。

即、落選したけど。」







ユノが見えなくなるとグクデさんはエントランスを歩きながらそう言って笑っていた。









「でも、また懲りずに立候補してるから。

次は当選したいんだけど。よろしく、チャンミン。」







ぽんっとぼくの頭に手を乗せたグクデさんに、今しかない…と話し出した…








「グクデさん…すみません…

バイト辞めます…」








「はあっ?!」








エレベーターの前で響くような大声…








「急にすみません…でも…少し前から辞めようって考えていたんです…」








「この仕事…嫌なのか?楽しく無かった?」








「いえ…料理は好きだし、いろいろ勉強になって楽しかったです…」








グクデさんはエレベーターに乗ると階のボタンを押しながら








「じゃあ、俺が嫌なの?」








背中を向けたままにそう言われて、なんだか背中が寂しそうに見えて…







「グクデさんにはいつも良くしてくれて…嫌なところなんてないです…

でも…」







グクデさんが振り向くと…








「良かった…」








そう言って抱きしめられた…








「あの…グクデさん…?」








「嫌じゃないなら辞めるなよ…な?」








「でも…」








「さっきの…俺にそっくりな奴…

あいつがユノなんだろ?

辞めるって…やっぱりあいつが関係してるのか?」








「はい…」








エレベーターの扉が開くとグクデさんはぼくの腕を掴んで、そのまま仕事場じゃなくて隣のグクデさんの家に連れて行かれた…



狭い玄関で向かい合うから顔が近くて直視できない…







「なあ…俺があいつに似てるから…

だからチャンミン…ここにわざわざ会いに来たのか?」








「はい…

学校で初めて会って…あまりにも似ていたからもう一度会ってみたかったんです…

まさか、バイトすることになるなんて思わなくて…

バイトは楽しいんですけど、グクデさんを見るとどうしてもユノを思い出してしまって…」








「だからか…いつもあんな目で俺を見てたのは…」








やっぱり…気がついてたんだ…



だから勘違いしてぼくのこと好きだなんて…








「ごめんなさい…誤解させましたよね?

本当にすみません…

だからもうバイト辞めたほうがいいと思って…

グクデさんもぼくのことは忘れて下さい…」








「勝手なことばっかり言うなよ。」







低い…少し怒ったような声にハッとして顔を上げると、その表情には怒りはなくて優しい顔があった…







「確かに…チャンミンは俺に気があるんじゃないかって少しは勘違いしたけど…

だからってそれだけで好きにはならないだろ?

忘れろなんて、簡単に言うなよ。

俺、チャンミンのこと本気で好きだってわかってる?」







あ…ぼく自身、全然ユノのこと忘れられないのに忘れろなんて言って…







「すみません…」







「あやまるなって…」







「あの…

グクデさんのことは好きです…

でもそれはヒョンみたいな意味の好きで…

その…気持ちには答えられないから…」








「だから、即答するなって!お前、真面目すぎ。

あ〜もう、俺また振られてるしっ!」







グクデさんがぼくの頭をポンポン叩き出して…






「じゃあさ、しばらくヒョンでいてやるよ。

だからバイト辞めるなよ。」








「え…?ヒョン?」








「チャンミンがあいつのこと忘れるまで、ヒョンでいてやるからさ…

俺の顔見てあいつを思い出したっていいし、思い出して辛くなったら相談にのってやるから俺を頼れよ。」








「でも…グクデさん…」







「だからヒョンだって!」






「ヒョ…ン…あの…でも…嫌じゃないんですか?

ユノと似てるとか、そういうの話されて…」






「お前の好きな奴と顔がそっくりってことは、俺のビジュアルはお前のどストライクなわけだろ?

あとは中身で勝負するだけだからある意味ラッキーだよ。

中身も自信あるしな。」









あまりにホジティブすぎて笑ってしまった…






「ヒョンのそういうところ…見習いたいです…」






そう言うとふわっと抱きしめられた…






「じゃあ、側にいろよ?…な?

まあ、しばらくヒョンで我慢してやるから、遠慮なく甘えろよ。」







「はい…」







急にヒョンになってやるとか、訳わからないけど、なんだか嬉しかった…



この人と話をしていると、いろいろ大丈夫のような気がしてくるから不思議で…



結局バイトも続けることに…



上手く丸め込まれたような気もするけど…








「でもさ…何であいつ…またチャンミンの前に現れたの?

あいつがチャンミンを振ったんじゃないの?

なんで追いかけられてんの?」








「ぼくのせいなんです…ユノは悪くないんです…

ぼくがユノから逃げたから…」









「なんかよくわかんないな…

じゃあさ、とりあえず話を聞いてみれば?

逃げてても解決しないよ。あいつ、しつこそうだし。」







わかってる…



ちゃんと話さなきゃいけないって…



でもなんて話せばいい?



きっとユノと向かいあったら流されてしまう…



だからずっと逃げ続けてきたのに…




本当は今日、ユノが現れて…すごく嬉しかったんだ…



顔を見られて、声が聞けて…



チャンミン、チャンミンって名前を呼んでくれて…


掴まれた腕の感覚が忘れられなくて…



やっぱりユノが好きだって思ってしまった…



もしかしたら、前よりも好きになってる…



こんな気持ちでどう向き合えばいい?



お願いだから…ユノ…もうぼくにかまわないで…



このままだとぼくはユノの幸せを壊してしまうから…














バイトが終わり、マンションを出ようとすると激しく雨が降っていた…


傘がなかったからパーカーの帽子を被って走りだそうとした瞬間…









「チャンミン…」









小さな声の先には、暗闇の中ずぶ濡れで立っているユノがいた…

















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君のいない夜 〜サクラミチ〜 14










Y side









「キュヒョン、ちょっといい?」








「ユノさん…」







月曜日、大学に着くとさっそくキュヒョンの研究室に行って呼び出した。



もちろんチャンミンの居場所を教えて貰うため。



簡単には教えてくれないのは分かっているけど、もう遠慮なんかしない。強引にでも聞き出すつもりでいた。







「ああ、チャンミンなら飛び級したから大学院生になって毎日学校に通ってますけど。」








アッサリ教えてくれて、拍子抜けした…



大学院生に…チャンミン凄いな…









「ユノさん、婚約したんですよね?

それ、チャンミンも知ってます。俺が教えたから。

で、会ってどうするんですか?

そうだ、突然振られて無視された恨み言の一つでもチャンミンに言ってやったらどうですか?」








キュヒョンの言いたいことがよくわからなかった。


なんでチャンミンを傷つけるようなことを勧めるのか…








「キュヒョン、ぼくはチャンミンとちゃんと話がしたいんだ。

傷つけるようなことはしないよ。」









「もう、十分傷つけてると思いますけど…

あ、それと無駄に優しくしないで下さいね。もう別れたんですから。

じゃあ俺、忙しいんで。」








キュヒョンは終始剣のある話し方だった。



婚約してるのにチャンミンに会おうとするぼくを否定するのは仕方がない…



誤解はそのうち解けばいい。



今はチャンミンに会って話をすることが先決だから…



急いで大学院の研究室に向かった。



その途中の廊下に誰かと話をしているチャンミンがいた…



学校にいるチャンミン…



この風景も久しぶりで昔を思い出して胸が熱くなる…


思い出に浸りながらゆっくりと背後から様子を伺うように近づくと…










「でも…本当に今は付き合うとか考えてなくて…」






「チャンミンにぴったりだと思うんだ。

一度、会うだけてもさ…」






「付き合う気もないのに会うのは良くないと思うので…」





「チャンミンを紹介しろって先輩に毎日言われて俺も困ってるんだよ〜

だから、紹介だけさせてよ。な?」







「はぁ…じゃあ…」







じゃあ…じゃないしっ!



ぼくはチャンミンの腕を掴んで引っ張った。



背後によろけながら顔だけ振り向いて…







「ユノ…」







「すみません。

チャンミン、隠してるけど本当は恋人いるんですよ。

だからその話は無しで!」







チャンミンもその人も呆気にとられていたけど、ぼくはそのままチャンミンを引きずるようにその場から立ち去った。









「ユノ…離して下さい…」








小さな声が聞こえる。



そう言いながらも手を振り払う訳でもなく
ついて来る。



本当に離して欲しいとは思えない。



ぼくは構わず校舎を出て中庭に連れて行った。



まばらに人がいるこの場所なら少しは冷静に話せるだろう…



腕を離して向かい合った…








「チャンミン…ぼくは別れたつもりはないよ。」







チャンミンは目線を外してこっちを見ようとしない…






「もう…会わないって…言ったはずです。

それに、婚約してるのにぼくと別れてないって言うなんておかしいですよ…」








力なく…小さな声で話す…



本当の言いたいことはそんなことじゃないはず…







「チャンミン、2人でゆっくり話そう。

2年半ぶりに会ったんだからさ。

チャンミンがどうして別れたがっているのか、ずっと考えていたけど全然わからないんだよ…

だからちゃんと聞かせて欲しいんだ…

ぼくのこともいろいろ説明したいし…」








「ぼくから話すことは何もありません。

そろそろ講義なので行きます。」








そう言って背を向けて歩き出した。








「チャンミン、終わるまで待ってるから。」







チャンミンは振り向かずにそのまま行ってしまった。



正直、チャンミンの素っ気ない態度に少し凹んだけどちゃんと話せばきっと上手くいくはずだ。



今日のチャンミンの服装は大きめのトレーナーでブレスレットをしているかは見えなかったけど、きっとしていると信じてる。



だから、いくら嫌な態度とられても諦めないよ…













チャンミンがいつ帰るかわからないから講義が終わった後、校門の近くのベンチでずっと待っていた。



やっとやってきたチャンミンに








「チャンミン、待ってたよ。」








声をかけるとチラッとこっちを見ただけで完全に無視してぼくの前を素通りして行った。




まあ…そうなるだろうな…




しばらく無言で後ろをついていくと急に振り向いて…







「ユノ…ぼくはこれからバイトなんです。だからついてこないで下さい。」








「バイト、何してるの?」








「ユノには関係ないでしょう?」








そう言うとまた早足で歩き出した。



バイト…何しているのか気になる…



だって、前はチャンミンのこと何でも知っていたのに、今はどこに住んでいるのかすら知らない…



知らないことだらけだ…







「今、どこに住んでるの?」








「…………」








「昨日からまたあのマンションに戻ったんだ。

ドンへがチャンミンに会いたがってたよ。」








「…………」








「ぼくはさ、また3年生に復学したんだよ。

チャンミンは飛び級して大学院になったってキュヒョンに聞いてびっくりしたよ。

さすがチャンミンだよな。」








「…………」








駄目だ…全然話してくれない…



思った以上に厳しい…



チャンミン、頑固だからな…





次に話しかける言葉を探していると、チャンミンが急に曲がってマンションに入って行こうとしたから腕を掴んで引き止めた。







「チャンミン、ここ普通のマンションみたいだけど、バイトってここなの?」








「だから、ユノには関係ないからっ!

離して下さいっ!本当にもう帰って!」








「何のバイトしてるのかだけでも教えてよ。

家庭教師とか?それとも…」









「おいっ!手を離せよ!」








そう言われると同時に肩を掴まれて後ろに力一杯引っ張られ、その拍子に肩を掴んだその男と向かい合った…








「え…………?」







「なっ…………!」








一瞬…



まるで鏡でも見ているような錯覚に陥った…



驚いた顔までそっくりで…








「お前、誰だよ…」








「そっちこそ…」








お互い、上から下までジロジロと見ていると…









「グクデさんっ…行きましょうっ…」








かなり焦っている様子のチャンミンが、そいつの腕を引っ張ってマンションの中に連れて行こうとしているのを見てつい声を荒げて…








「チャンミン!その人誰なんだよ?!」








「俺?チャンミンの恋人候補。」








チャンミンの代わりにそいつが答えてそのまま2人でマンションの中に入って行った…






















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君のいない夜 〜サクラミチ〜 13








C side








ユノ……



ユノがぼくを抱きかかえてくれて…



何度もキスしてくれた…



ユノがぼくのところに戻ってきてくれたんだ…



何で離れていたんだっけ?



もう、そんなことはどうでもいい…



目を開けるとユノがいてくれる…



それだけで嬉しくて涙が流れた…



抱き寄せて温もりを感じる…



温かい…




好き…




キスしていい?なんて…



聞かなくても答えは決まってるのに…



ユノ…好き…



ずっと側にいて…離れないで…



抱きしめて欲しいのに…



急に温もりが消えて…不安が押し寄せる…



暗闇に落ちていく感覚…



寒い…



気持ち悪い…



頭が痛い…



ここから抜け出したい…



もがいても身体が動かない…



ユノはどこにいるの?



ユノ…ユノ…



返事して…



お願い…どこにも行かないで…





















酷い頭痛で目が覚めた…



知らない部屋のベッドの上でゆっくりと起き上がって周りを見渡す…


ワンルームマンションの一室。簡易的なキッチンとベッドと小さなテーブルしかない部屋…



頭がクラクラして目が回る…



これ以上動いたら吐きそうだ…



壁にはぼくのシャツとTシャツがハンガーに掛けられて、見たことのあるトレーナーを着せられていた。



これ…グクデさんの服…



ハッとして下を覗いたら、自分のズボンでホッとしたけど…



何も覚えてない…



グクデさんにおでんと焼酎を出されて飲み出したまでは覚えているけど…



また…やっちゃったのかな…



焼酎なんて飲んだことなくて…



でも、飲むとボーっと気持ちよくなって、もっと飲めば辛いことも忘れそうで、忘れたくて…



忘れるわけないのに…



結局、グクデさんに迷惑かけただけだった…



ベッドサイドにペットボトルの水と薬が置いてあった。






『これ飲んで寝てろ

隣の仕事場にいる。』






そう書いたメモがあった。



薬を飲んだだけで吐きそうになってまたベッドに横になると、気持ち悪くてお酒を飲んだことを後悔しながらそのまま眠りに落ちた…




















ガダガタという音とともに部屋の明かりがついて眩しくて布団を被った。







「チャンミン、起きてるか?」







起きているけど…起きたくない…



グクデさんはベッドにドサッと座わると布団を捲られて目が合った。







「なんだ、起きてんじゃん。」







「あ…」







「そろそろクッパくらい食べられそうか?」







「はい…」







「ん〜じゃあ、作って来るから待ってな。」







そう言って立ち上がりそうになったグクデさんの腕を掴んで







「あの…グクデさん…」








「ん?」







「いろいろすみませんでした…

あの…何も覚えてなくて…その…

きっと沢山迷惑かけましたよね?

すみませんでした…」








「何にも覚えてないの?」







「はい…焼酎飲んでいたまでは覚えているんですけど…」






「 お前さ、お酒の飲み方知らなすぎ。

あの焼酎、度数25あるのにストレートでよく飲めたな?

下手すると死ぬぞ?」







「いつもビールとワインくらいしか飲まないので…」







「焼酎飲まないんだ。現代っ子だな。」







「あの…服は…」







「ああ…吐いた後に水飲ませようとして溢れたんだ。

それで着替えさせた。

お前の裸、すげー綺麗だったぞ。」







「え…」







「で、裸のまま抱きつかれて。」







「ええっ?!」








「キスした。」








「……………」








「だから責任取って?」








ショックで血の気が引いていく…



酔って何してるんだろう…









「嘘だよ。なんて顔してんの?

まあ、嘘でもないけど。」








「ど…どっちなんですか?」








「ユノって………誰?」








「な…なんで…」








「誰か教えてくれたら話すよ。」








ユノの名前まで…



もしかして、グクデさんのことユノって呼んでしまったとか?



呼んだだけじゃなくて何かしちゃったとか?



最悪過ぎる…何言って、何したんだろう…



怖い…聞きたいけど聞きたくない…








「教えてくれないなら…」







いきなりぼくに跨ると、両腕掴まれてベッドに押さえつけられた…







「昨日の続きするぞ。」








「つ…続きって…昨日、何したんですか?」







「だから、教えてくれないと話さないから。」







グクデさんの顔が徐々に近づいてくる…



からかっているようにも見えないし…



昨日…本当に何したんだ?








「ちょっ…グクデさんっ!待って!

話しますからっ!」







「チッ…なんだよ…続きしたかったのに…」







「はあ?

知りたいんですか?知りたくないんですか?」







なんだかもうよくわからない…



グクデさん…こんな人だったっけ?どうしちゃったんだろう?



ため息をつくと…







「ほら、言えよ。」







「ユノは…

元恋人です…

2年半前に別れたんですが、昨日偶然会ってしまって…」







「2年半前って…

それでまだ好きなのか?」







「えっ?」







「ユノ好きって俺に言ってたぞ。」







うわ…もう本当に最悪だ…穴があったら入りたい…







「そいつとはどうにもならないわけ?」








「ユノにはもう婚約者がいるし…


グクデさん、話したのでとりあえずどいて下さい。」







「じゃあ、俺も話すよ。

お前が裸で抱きついてきたのは本当。

キスはしてない。

口移しで水は飲ませたけどな。」








「口移しって……

キスと同じじゃないですか!」







「同じじゃないよ。

あの状況だったら、他の奴でも口移しで飲ませるけど、キスは好きな奴としかしない。」







あぁ…それほどマズイ状態だったのを介抱してくれたのに、文句言うなんて…







「すみません…

男に口移しなんて…嫌でしたよね?

介抱してくれて、ありがとうございました…」







「ん…

じゃあ…昨日の続きだ…

なあ、キスしていい?」








「は?何でそうなるんですか?」







「何でか本当にわかんない?」






そう言うとぼくのこめかみにチュッと音を立ててキスをした。






「なっ!!グクデさんっ!」







「チャンミン、お前、隙だらけ。」







「いい加減にして下さい。」







睨み付けるとニヤッと笑ってぼくの上から離れた。


ぼくはすぐに起き上がって背を向けると背後から抱きしめられて…







「チャンミン…真面目な話…

俺と付き合わない?」








「グクデさん…ぼく…男ですよ?」







「んなことわかってるよ。ユノって奴も男なんだろ?」






あ…敢えて性別は言わなかったのに、なんとなく分かってたんだ…







「すみません…グクデさんとは付き合えません。」







「即答だな。少しは脈ありかと思ってたのに。

とにかく俺、チャンミンが好きだから。それだけは覚えておいて。」






グクデさんはぼくの後頭部にチュッとキスをして隣の仕事場に行ってしまった…



一気に疲れがドッと出た…



お酒は怖い…



ぼくの記憶の無い間にグクデさんの態度がすっかり変わってしまった…



グクデさんのことは嫌いじゃない…



むしろ、好感が持てるし、一緒にいて気楽で楽しいし…心地いい…



ユノがいなかったら好きになっていたかもしれない。


でも…ユノがいる。



ぼくの心にはずっとユノがいて、他の人が入る隙間なんてなくて…



それ以前にユノにそっくりなグクデさんは絶対に無理…



こんなことになってしまった以上、バイトははやめに辞めないと…








その後、クッパを作ってくれたグクデさんに辞めたいとなかなか言い出せず、結局また次のバイトの日の約束をして家に帰った…
























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君のいない夜 〜サクラミチ〜 12










グクデ side









チャンミンをトイレに連れて行くと、指を口の中に入れて吐かせた。







「もう少し頑張れ。」







チャンミンは目を閉じて朦朧としながらも頷いて素直に従った。



まだ飲んだばかりだからこれだけ吐けば大丈夫だろう。


あとはなるべく水を沢山飲ませないと…



歩けないチャンミンを抱きかかえてベッドまで連れて行った。



タオルで口を拭いて、水を飲ませようと俺に寄りかかるように上体を起こしてペットボトルを口に持っていった。






「ほら、水飲め…」







「ん…」







頷いて飲もうとするけど口の端からダラダラと流れていく…







「ちゃんと飲めって…」







「んっ…はぁ…」







「おいっ、息吐くなよ!」







息を吐いたのと一緒に口に入れた水が全部シャツに流れ出てしまった。




仕方ない…







「後で怒るなよ?」






俺は水を口に含むとチャンミンの口を人差し指でこじ開けて口移しでゆっくりと流し込んだ。



ゴクッと飲み込む音に安堵してそれを何度も繰り返した。



男に口移しとか、気持ち悪いはずなのに嫌じゃないのが不思議だ…




ちょうど流し込んでる最中、ずっと瞑っていたチャンミンの目が薄っすらと開いて俺をジッと見つめた。



すぐに唇を離してタオルで口を拭いてやった。






「大丈夫か?」







「ん…」







まただ…



ふと気がつくと俺に向けられるその熱い視線…



それでいて、どこか遠くを見ているような…



前から気がついてはいたけど、どうしていいのか分からずに流していた…



朦朧としながらもジッと見つめてくるその瞳から今は目が離せない…




頰を撫でると目尻から涙が流れ出た…







「なあ……何でいつも泣いてる?」







そう聞くとチャンミンはまた目を瞑った。







「はぁ…」







酔ってる相手に会話が成立するはずもないのに、真面目に聞いてる自分が滑稽でため息が出た…




とりあえず、濡れてしまった上着を着替えさせようとシャツと中のTシャツを脱がせた。



一瞬、その美しさに目を奪われた…



酔って薄っすらとピンクになったきめ細やかな肌…



男の裸に見惚れるとか、どうかしてる…








「お前…綺麗なのは顔だけじゃなくて身体もかよ…

どんだけ前世で良い子にしてたんだ?」








ベッドに横たわるチャンミンの頭を軽く持ち上げて、着替えのトレーナーを頭に通そうとした瞬間、また薄っすらと目を開けたチャンミンが俺の首に両手を伸ばして引き寄せた…








「うわっ…おい?…チャンミン?」







俺の身体は裸のチャンミンに覆いかぶさって密着し、顔と顔の間はわずか数センチの距離だった。



離れようと思えばすぐにでも離れられるのに、チャンミンの虚ろな眼差しと、歪んで半開きになった口元があまりに艶美で…



こいつ…ヤバい…



俺…そっちの趣味…全くないはずなのに…



これ以上はマズイ…と離れようとした瞬間…








「好き…」








そう言われて心臓が跳ね上がり、身体がカッと熱くなった…






可愛い…







不覚にも俺は男に可愛いと思ってしまった…



チャンミンの前髪を指で解きながらかき上げて、頰に手を添えた…





キスしたい…





さっきの口移しはただの水を飲ませるための手段で、それとは全く意味が違う…



この可愛い奴を俺のものにしたくなったんだ…







「なあ…キスしていい?」







チャンミンは目を瞑って頷いた…



酔ってる相手に卑怯だと思いながらもチャンミンの意思を確認しておきたかった…



チャンミンの両手を俺の首からはずしてシーツに縫い付けた…



俺はゆっくりと唇を重ねようと顔を近づけた時…









「ユノ……好き……」









知らない名前で呼ばれて、俺は呆然としてしばらくそのまま動けなかった…



















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君のいない夜 〜サクラミチ〜 11










グクデ side










チャンミンを桜の木の下で待たせて、俺は屋台に食べ物を買いに来た。



歩きながらなら、おでんが一番食べやすいだろうと並んだけどなかなか進まない…



なんで俺がパシリみたいに買いに来てるんだ?なんて思いながらニヤけてる自分が不気味だ。





俺はチャンミンを気に入っている。





真面目で思った以上に良く働くし、からかうとすぐにムキになって面白い。



アメリカに留学していたとか、1年飛び級して大学院生になったとか、特待生だとか、実は結構凄い奴なのに、それを全くひけらかさない謙虚さとか…



大学生なんて親のお金で気楽に遊んでる奴ばっかりかと思っていたのに、こんな真面目な奴もいるんだなと見る目が変わった。



見た目もアイドルみたいなのに彼女もいないし遊んでないみたいだし。



今までに会った事がないタイプだ。



ただ、真面目すぎて少し心配になる。



普段の話を聞くと、勉強とバイトしかしていないようだし。



それに、何か悩みがあるのか、たまに考え込んだりして…




だから配達が終わったらここに来ようと決めていた。



少しでも気分転換になればと…




でも、今日は忙しくて思った以上に疲れたみたいだ…それで若干機嫌も悪い…








「もうこれ以上歩けません。何か買ってきて下さい。」







ぶっきらぼうにこんなこと言われても全く嫌じゃない。むしろ可愛いとすら思ってしまう。




なぜだかチャンミンは甘やかしたくなる。




もっと頼って甘えて欲しいとか、なんでそんなふうに思うのか謎だ。




弟みたいに可愛いいからだと思ってたけど、施設の弟達とはちょっと違うんだよな…











やっと買い終わって、待っている場所に急いで戻ったけど、そこにはチャンミンの姿はなかった。



周辺を見渡してもいない…



こんなに人がいたら探しようがない。



とりあえず買った物を車に置いてこようと駐車場に向かうと、車の横に座り込んでる人影が見えた。



ああ…良かった…チャンミンだ…







「チャンミン、どうした?なんでここに?」







「すみません…」







その一言で様子がおかしいのがすぐ分かった。







「ほら、とにかく立って…」








そう言って腕を掴んで引っ張り上げたらふらっとよろけて倒れそうになるチャンミンを胸に抱き留めた。






「おい、大丈夫か?」







「すみません…立ち眩みして…」







俺は助手席のドアを開けてチャンミンを車に乗せた。

その時、車の室内ライトで照らされたチャンミンの赤く腫れた目に気がついて…








「何かあったのか?」







「いえ…何もありません。」







「そんなふうには見えないけど…」







チャンミンはそのまま黙ってしまった。



言いたくないなら仕方ない…



でも、なんでこんなにイラつくんだ?




お互い無言のまま、俺は車を走らせ店のマンションへ戻った…














「じゃあ、お疲れ様でした…」






自分の荷物を持ったチャンミンが帰ろうとするのを腕を掴んで引き止めた。






「おでん、温めなおしたから食っていけよ。」







「あ…でも…」







「いいからっ!」







「あ…はい…」







チャンミンの持った荷物を取り上げて、半ば強引にソファーに座らせた。



座ったチャンミンの前におでんと焼酎とコップを置いた。







「おでんにはやっぱり焼酎だよな?」






俺はコップに注いでチャンミンの前に置いた。







「食べて飲んでろよ。

それだけじゃ足りないから軽く何か作るから。」







俺はキッチンに戻るとチャーハンを作りだした。



チャンミンはずっと黙り込んで表情も暗いままだ。


面倒くさい奴…



なのに放っておけない…



悩みがあるなら俺に言えばいいのに、いつも自分の中に溜め込んで黙ってる…



腹が立って仕方ない。



もっと俺を頼ればいい。



甘えればいい。



俺じゃ駄目なのか?




イラつきながら作ったチャーハンを運ぶと、チャンミンはソファーでグッタリと横になっていた。





「おい、まだ食べてないのに寝たら…」






チャーハンを置いた時、さっき開けたばかりの焼酎の瓶が空になっているのに気づいて…






「おまっ!何やってんだよっ!」






空きっ腹にこんなに飲んだら急性アルコール中毒になっちまう!



とにかく吐かせないと…



でも、ここは仕事場だから…



俺は急いで仕事場の隣の自宅にチャンミンを抱き上げて連れて行った…























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君のいない夜 〜サクラミチ〜 10








Y side








一昨日、フランスから帰国した。



留学…と言っても、語学留学だから単位が貰える訳じゃなく、またこっちの大学で復学生として3年生に戻った。



昨日、大学で手続きを済ませてから、機械学部を覗いてみた。



チャンミンが留学から帰って来ていれば4年生の研究室にいるはずだった…



でも、チャンミンはいなかった…



まだアメリカから帰ってない?



キュヒョンは4年生に在籍しているようだけど、きっと聞いても教えてくれないだろう…



ぼくはそのまま学校を後にして久々にドンへに会いにカフェに行った。



ドンへは相変わらずカフェで頑張っていて







「お前がいないから売り上げ落ちてさぁ」






なんて、前は人のせいにしてたけど、その後フレーバーコーヒーを数種類新製品として出したら人気が出てなかなかの売れ行きらしい。


ドンへ、意外と商売上手だったんだな…と感心した。


チャンミンは、あれから1度もカフェには来ていないらしく…







「あいつ…もし今度来やがったら抱きしめてチューしてやる!」






なんて言われて、キッと睨んだら







「怖え〜〜お前、相変わらずだなぁ〜」







と、ニヤニヤと呆れられた。




そうだよ。ぼくはあれからずっとチャンミンを忘れていない。



諦めようなんて1度も考えたことはないし、好きな気持ちは少しも変わってない。




逆に会えない時間が一層チャンミンへの想いを強くしてしまった…




あの時、もう会わないってメールで言われても、そんなの本心じゃないことくらいは分かってたし。




じゃなきゃ、キュヒョンがチャンミンを苦しめないでくれなんてぼくに言わないはずだ。




何か原因があったんだろう…苦しみながらも別れないといけない何か…



チャンミンに会ってそれを聞きたい。誤解があるなら解きたいし、ずっと変わらず好きだって伝えたい…




ただ…




あれから2年半…今、チャンミンはぼくをどう思っているんだろうか…




正直怖い…




あの時はまだ好きで悩んでいたかもしれないけど、もう何とも思ってないかもしれないし、新しい恋人がいるかもしれない…




それならば、いくらぼくが好きでも今度こそもう終わりだ…




そして、今ぼくのこの複雑な状況をチャンミンが理解してくれるのかも不安だった…




会いたい…でも…




ぼくはその葛藤の中で常に揺れていたんだ…









そして今日…



ホジュンヒョン夫婦に誘われてぼくとテヨンの4人で、汝矣島で開催されている春の花祭りに出かけた。



チャンミンは人ごみが苦手だからこんな人が多いところにいるわけないと思っていても無意識に探してしまう…



ライトアップされた桜なんて全く目に入らなかった。



少しでもチャンミンに似ている人を見かけては、一喜一憂していた…








「ユノ、溜息ばっかりついてないで、少しは桜でも見なよ。

歩くの早いし、ゆっくり見られないし!

オッパ達も私たちに追いつけなくてはぐれちゃったし!」








「そうだね…ごめん…少し待ってようか?」







テヨンに言われて桜の木の方に歩みを進めると…





その木の下…





ライトアップした光が反射してその人を照らしている…




ピンと張った背筋にスラリと伸びた手足…




長い首から肩にかけての湾曲した綺麗なライン…




小さくて丸い可愛い後頭部…




ちょっとだけ広がったすぐに真っ赤になる耳…




そして…前よりも一層美しくなったその横顔…




見つけた…間違いなく…チャンミンだ…




心臓がバクバクして壊れそうだ…




声をかけたら消えてしまいそうで…




ぼくは駆け寄って後ろから強く抱きしめた…








「チャンミン!!」







チャンミンは一瞬ビクッと身体を震わせると、そのまま固まってしまった…




懐かしい…チャンミンの匂い…




この温もり…




ずっと抱きしめたかったチャンミンが今ぼくの腕の中にいる…








「チャンミン…会いたかった…

ずっと会いたかった…」








ぼくが誰であるのか分かってるって言っているようにチャンミンの身体が震えている…




顔が…チャンミンの顔が見たい…




今…どんな顔してる?




怖い…でも確かめなきゃ…








「チャンミン…こっち向いて…」







ぼくは抱きしめていた腕を緩めて肩を掴むとゆっくりこっちに向き直させた…








「ユ…ノ………」








チャンミンは震える声でぼくの名前を呼んで泣いていた…




胸が締め付けられて…




どうしようもなく愛おしい…









「チャンミン…なんで泣くんだよ…

泣きたいのはぼくの方なのに…」








チャンミン…その涙は何?



教えて…



まだぼくを必要としてくれてるの?



まだ好きでいてくれてる?








「チャンミン…何か言って…」








目からポロポロと涙が溢れるばかりで、チャンミンは何も言わない…



ぼくも沢山聞きたいことがあるのに言葉にならない…



駄目だ…ちゃんと聞かなきゃ…



このまま…また会えなくなるなんて嫌だ…



やっと会えたんだ…やっと…だから…









「チャンミン…今どこに…」









「ユノ!離れて!」








テヨンの声にハッとした…








「すぐ後ろの方にオッパが来てるの。だから…」








今、ホジュンヒョンに見られたら困る…




ぼくが少し離れると、チャンミンは哀しそうな顔をして、涙を袖で拭いながらジリジリと後ずさって…







「ユノ…婚約おめでとう…」








そう言ってチャンミンが走り去って行った…








「ユノ…チャンミン君、なんで婚約のこと知ってるの?

追いかけなくていいの?

このままじゃ…」









「テヨン、大丈夫、このままになんてしないよ。

これからは本気で取り戻すから。」









ずっと拒絶されて、ずっと会えなくて…



会いたいけど、今まで自身がなかった…



会ってしまったら、この想いも行き場もなく終わってしまうんじゃないかって怖かったけど…



でも、今は違う。



チャンミンはまだぼくのことが好きだって…



忘れてないってハッキリとわかったから…



だからもう大丈夫…遠慮なんてしないよ…










「ユノ、やっと見つけた!

2人でサッサと行くなよ、はぐれるだろ。」








「ごめん。

ホジュンヒョン…

今日誘ってくれてありがとう。」








「えっ?あぁ…ここ、気に入った?」








「うん、来て本当に良かった…」









チャンミン…





ぼくはちゃんと見たよ…




あれが本当の気持ちなんだよね?チャンミン…




チャンミンが涙を拭った時に…袖口からチラッと見えたんだ…




あのブレスレットが…








『 離れていても…ずっと想ってる…』







そう受け取ってもいいんだよね?




だからもう…絶対に捕まえる…




もう逃がさない…





ぼくは自分の腕にしているブレスレットを腕ごとぎゅっと握りしめて、桜の木を見上げた…































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君のいない夜 〜サクラミチ〜 9









C side









今日はパートのおばさん総出で朝から大量の注文分の料理をひたすら作って配達した。



近場はぼくも自転車で配達したけど、ずっと運動不足だったからちょっと体力的に大変で、夕方にはかなり疲れがたまってきていた。



今は桜のシーズンであちこちでイベントが開かれている。そのせいで今日はイベント関係者中心に特に注文が多い。


夜の注文分がだいぶ出来上がってくると、パートのおばさん達は帰ってしまって、今はぼくとグクデさんの2人だけ…







「よし、これを届けたら今日は終わりだ。

チャンミン、行くぞ。」







「はい。」







35人分もの大量の料理を車にのせて、イベント会場まで運ぶ。



イベント会場の駐車場から控え室に何往復かして運びこむと、どっと疲れが出て、側にあった椅子に座り込んだ。



しばらくすると代金の受け取りを済ませたグクデさんが来て







「ほら、行くぞ。」







重い腰を上げて、グクデさんの後ろをついて行く…



なぜか車がある方向と違う方に歩いて行くから








「グクデさん、どこ行くんですか?」







「ここの桜、見たことある?」







「いえ…

ここに来たのは初めてなので。」







「じゃあ、ちょっとぶらついてみない?」







ここは汝矣島…今は花祭りをやっていて凄い人だ。



メインはやっぱり1600本の桜並木。



ぼくは疲れていたので正直、すぐに帰りたかったけど、断る気力も無くてゆっくり後ろを歩いているとグクデさんが振り返って






「疲れてんの?体力ないな。」






そういって笑いながら肩を組まれて顔を覗き込まれてドキッとした…


肩をポンポンと叩かれて、そのまま並んで歩き出した…




こういうの…困る…




グクデさんはきっと弟みたいに接してくれているんだろうけど、ぼくはつい意識してしまう…



やっぱり…ユノに似てるから…



キュヒョンに昨日言われた…



ぼくがグクデさんをユノの代わりにしてるって…



そんなつもりは無かったけど、たまにこういうことでユノを感じてしまっている…



この人はユノじゃない…そんなことわかっていてもユノと一緒にいるような心地よい感覚…







「俺見つめてないで桜見なって。」






「えっ?…あっ…凄い!桜、ライトアップされてて綺麗ですね!」







いつの間にかメインの桜並木に来ていたみたいで慌てて目線を桜に…



こんな至近距離でじっと顔見てるとか…何やってるんだろう…



かなり変な奴だと思われたかも…



いや…きっともう変に思われてる…



ちゃんとユノじゃないって切り替えられないなら、一緒にいたら駄目だよね…



やっぱりバイト…辞めた方がいいのかもしれない…



恥ずかしいのと気まずいのとで、ぼくはわざと桜の木の下に駆け寄ってグクデさんから離れた。



桜の木の幹にそっと触れて見上げていると







「チャンミンはさ、日本の花見って知ってる?」






突然そんな話しを振られてキョトンとしてしまった。






「日本はさ、桜の木の下でシートを敷いて家族や友達や、会社の同僚とかで集まってお弁当食べたり、お酒を飲んだり、宴会とかするんだって。」







「へぇ…楽しそうですね。」







「お弁当を家で作ってきたり、買ってきたりが多いらしいけど、ピザや寿司の宅配や、ケータリングも頼んだりするらしいんだ。

韓国は歩きながら桜を見るだけだろ?

食べるとしても屋台だし。」







「韓国でもそのスタイルだったら、グクデさんのお店繁盛しそうですね。

でも、そうじゃなくても今日ものすごく忙しかったですけど…。」







「まだ俺のところは規模が小さくて、これ以上は対応しきれないしな。

まあ、韓国は花見スポットが少ないし、そういうことするのは無理だ。

それとは別として、日本はお弁当文化が発達してるし、宅配、ケータリングサービスも充実してるから、1度勉強しに行ってみたいって思ってるんだ。」






日本…日本といえばぼくはやっぱり…






「ぼくも日本に行ってみたいんですよ。

大きいガンダムがあるんですけど、それ、見てみたくて。」






「ガンダムって…

お前、本当に子供みたいで可愛いな。」






「なっ…グクデさん、ガンダムは子供も大人も関係ないですよ!むしろ大人のファンが多いんですから!」








「ふ〜ん、そうなんだ。



なあ、腹減っただろ?

向こうに屋台があるから行かないか?」






子供扱いされて不貞腐れたのを食べ物で釣って誤魔化そうとしてるのバレバレなんだけど。







「もう疲れてこれ以上歩けません。何か買ってきてください。」







「じゃあ、適当に買ってくるから、ここで待ってな。」






「えっ…」






引きとめようとしたけど、すぐに人ごみ紛れて見えなくなってしまった。



わがまま言って買いに行かせるとか、何やってるんだろう…



この人といると調子狂う…



ぼくってこんな子供っぽくてわがままだったっけ?



きっとグクデさんは施設で沢山の子の兄役をやってきたから僕に対してもそんな調子で優しくて、つい甘えてしまうのかもしれない…



2歳しか違わないし、ユノと同じ歳なのに…



やっぱりはじめて会った時泣いてたっていう第一印象がマズかった…



あれですっかり弱々しい奴に思われてるんだ…



さっきも疲れてたからあまり乗り気しなかったけど、桜はちょうど満開で少し散り始めたところが本当に綺麗で…



これも疲れて元気の無いぼくを元気づけようとして連れてきてくれたのかな?なんて…



今後は少し態度を改めてしっかりしなきゃ…



ちょっと自分の態度を反省しながら、はらはらと散って目の前を落ちていく桜の花びらを見て、なんとなく掴もうと手を出した。



掴む瞬間すり抜けてしまい、手を開いても何もない…



こんなところ見られたら、また子供みたいって言われちゃうかもな…と思いながらも何度もやってみるけど、やっぱり手を開くと何もなくて…



諦めた瞬間、開いた手のひらの上にひらりと花びらが2枚落ちてきた…



一生懸命取ろうとした時は1枚も取れなかったのに…



フッと笑みが溢れた瞬間、いきなり後ろからギュッと強く抱きしめられた…








「チャンミン!!」







えっ…




この声……この匂い……この腕の感触……




まさか………









「チャンミン…会いたかった…

ずっと会いたかった…」








声が…出ない…



身体も固まって動けない…








「チャンミン…こっち向いて…」







抱きしめられていた腕が緩んで肩を掴まれ向き合った…








「ユ…ノ………」








声が震える…



変わらない…あの頃のユノのままだった…



大好きだったあの頃の…








「チャンミン…なんで泣くんだよ…

泣きたいのはぼくの方なのに…」








声を聞いた瞬間から溢れだした涙はずっと止まらなくて…


ぼくはただ泣いてるばかりで…








「チャンミン…何か言って…」








ユノに会えて素直に嬉しかった…



すごく会いたかった…ユノ好き…愛してる…



口を開いたらそう言ってしまいそうで何も言えなかった…









「チャンミン…今どこに…」









「ユノ!離れて!」








その声の方に目をやると、ユノの後ろに女の人がいた…



ああ…この人…婚約者のテヨンさんだ…








「すぐ後ろの方にオッパが来てるの。だから…」








ユノはぼくをパッと離して距離を取った…




そうだよ…ユノは婚約してるんだ…




ぼくは何を喜んでるんだろう…




会ったからってもうどうにもならないのに…




ぼくは後ずさりながら…









「ユノ…婚約おめでとう…」








涙を拭いて震える声でそう言うと、ぼくは走ってその場を立ち去った…
























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こんにちは!Monakoと申します。 東方神起のユノ、チャンミンが大好きです。 好きってだけで始めた妄想小説ですので、文章が至らないところが多々あると思いますが、一緒に楽しんでもらえたら嬉しいです。 BLなR18も出てきますので、苦手な方はご遠慮くださいね☆彡 主人公は不死身、ハッピーエンド主義、ホミンラブです♡

Monako

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