Y side
ヒチョルがうちに来るようになって3週間が過ぎた。
始めは警戒していたものの、チャンミンにベタベタするわけでもなく意外にも真面目に授業を受けていた。
それに懐かれてしまったのか、今ではチャンミンよりぼくと話そうとする事が多い気がする…
チャンミンを狙ってるんじゃ…なんて思っていたけど、どうやらただ人懐っこいだけだったのかもしれない…
『ユノ、もう2人きりで大丈夫ですからユノはカフェの仕事に行って下さい。』
チャンミンは最近始まる前にそう言ってぼくを追い出そうとする…
『ヒチョルと2人きりになりたいの?』
『そういうわけじゃないですけど…』
『じゃあ…もしかして嫉妬してるとか?』
冗談でそう言ってみたけど案外本当だったみたいで黙り込んでしまった。
ぼくとヒチョルが?ありえないだろ?
まあ、そんなふうに嫉妬してくれるのは嬉しいけど…
そして一昨日、来週は2人でチャンミンの実家のある春川の花火大会に行く予定で家庭教師を休みたいってヒチョルに伝えた時…
『えっ!春川の花火大会?
俺も行きたい!一緒に連れてってよ!』
って言ってきた。
3人で行くなんて冗談じゃない。
駄目だ!って言おうとした時、チャンミンが…
『花火大会っていうのは口実で、本当の目的はユノと付き合っているってこと、ぼくの母に話して認めてもらうために行くんだ。
だから2人で行きたいから連れて行けないよ。』
ヒチョルも驚いた顔してたけどぼくも驚いた…
真顔で…強い口調でハッキリと断わった…
いつものチャンミンならそんな詳しく話さないでやんわりと断っていたはず…
もしかして牽制してるつもり?
本気でヒチョルがぼくのこと好きだとでも思ってるのか?
でもその必死な様子が凄く可愛くてついその場で後ろから抱きしめちゃって…それはさすがにヒチョルが見てるのにって後で怒られたけど…
今日も午後からヒチョルが来る。
さっきヒチョルから電話で来週休む代わりに今日授業を入れたいと突然お願いされたのをチャンミンが了承しちゃって…
「困ったな…
今日はドンへがデートで休むからって代わりにぼくがカフェに入ることになってるのに…」
何年ぶりかのドンへのデートを潰すわけにはいかないし…
「ぼく1人で大丈夫ですよ?
ユノは気にしないでカフェに行って下さい。」
ぼくがいなくなると聞いてあからさまにホッとした顔してる…
「チャンミン…ヒチョルとぼくが話してるのそんなに気になる?」
「気になります…
だって…ヒチョル君…ユノが好きなんだと思うんです…
家庭教師はぼくなのにユノとばっかり話したがるし…」
「話はするけどさ…
ぼくのこと好きとかそういうのは多分勘違いだから。」
「そうは思えません…」
まあ…でもこの調子なら2人きりにしても大丈夫かな?
ちょっと心配だけど、今までのヒチョルの様子からして変なことはないだろう…
「何かあったら電話しろよ?
すぐに戻ってくるからな?」
そう言って朝早く家を出てカフェに行った…
ごめんなチャンミン…
ぼくのその判断が甘かったんだ…
カフェへ出かけたその数時間後…
『ユノ…たすけて…』
携帯の留守番電話に入っていたチャンミンの苦しそうな声に気がついたのは着信記録の時間から30分も過ぎた頃だった…

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テーマ:二次創作(BL)
ジャンル:小説・文学